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ラジオ会館4階の階段から中古ショップまで:秋葉原巡礼が語らないフロア別動線の秘密

秋葉原の本当の楽しみ方は、フロア別動線にあります。ラジオ会館4階のコトブキヤから始まり、裏路地の中古ショップへと降りていくルート、中野ブロードウェイ2階奥の個人店、日本橋5丁目の路地まで――聖地巡礼マップが示さないフロア別・時間帯別探索の技術を、15年選手のコレクターの足で培った知見としてまとめました。

ラジオ会館4階の階段から中古ショップまで:秋葉原巡礼が語らないフロア別動線の秘密
Photo: ElHeineken / CC BY

ラジオ会館4階から始めるべき理由

結論から申し上げます。秋葉原巡礼は、ラジオ会館4階のコトブキヤから始めるのが定石です。地下1階から上がっていく初心者が多いのですが、そうすると体力が底を尽きる頃に肝心の新作展示を見逃すことになります。2015年のリニューアル以降、ラジオ会館は各フロアで性格が異なります。4階のコトブキヤは新作デコマスと予約受付カウンターがある場所。発売3ヶ月前の原型が、ここのショーケースに初めて姿を現します。

午前10時30分、開店直後に入るべきです。昼食後は観光客が押し寄せ、ショーケースの前が三重の人垣になります。デコマスは写真で見るのと実物では違います。髪先のクリアパーツの透明度、スカート裏地のグラデーションの段数、台座表面の仕上げのディテール――こういったものはモニターでは判断できません。予約するか様子見するかは、この10分で決まります。

3階から下は中古コーナーです。箱未開封A級から箱なしC級まで混在していますが、価格は日本の通販サイトより20%程度高めです。ラジオ会館の中古には「観光税」がついていると考えればよいでしょう。ここで買うのは「秋葉原で買った」という記念以外にメリットはありません。本当の狩りは、ラジオ会館を出た後からです。

裏路地中古ショップのタイムテーブル:午前と午後は別物

ラジオ会館から中央通りの反対側の路地に渡ると、3〜4坪規模の中古ショップが密集しています。看板もない2階の店。階段を上がると壁一面が丸ごとガラスケースという場所もあります。ここでの要点は入荷時間です。多くは火曜日と金曜日の午前に新しい商品が入ります。水曜日の午後に行くと、良品はすでに売れた後です。

2018年のある金曜日午前11時、私はある中古ショップでアルターの「遠坂凛 -15th Celebration Dress Ver.-」箱未開封を定価の60%で手に入れたことがあります。前夜入荷というシールが貼ってありました。その隣のショーケースには同メーカーのセイバードレス版もありましたが、箱のダメージが酷い状態でした。A級とB級の差は5千円でしたが、箱の潰れ具合を見ると転売価値が半減するのは明らかでした。A級を選びました。

午後2時以降は入荷分が整理されます。代わりに店員が手すきになるので、価格交渉の余地が生まれます。日本語で「ちょっと高いですね」と言えば、10%線で値引きしてくれるケースがあります。ただし新品やA級人気作は無理です。B級以下、発売2年以上経過したマイナー作品に限ります。言葉が通じなければ、電卓アプリに希望価格を入力して見せれば通じます。

裏路地中古ショップのもう一つの長所は、プライズフィギュアです。ゲームセンターの景品として出たフィギュアが500円から始まります。箱なしC級も多いですが、プライズはそもそも箱の価値が低いので問題ありません。セガ・バンプレストといったメーカーのプライズで塗装クオリティの良いものが、スケールの10分の1の価格で出ます。ガラスケースの空きスペースを埋めるには、これほど良いものはありません。

Photo: zombiespammer / CC BY-SA

中野ブロードウェイ2階、奥まで入ってこそ見えるもの

秋葉原からJRで20分、中野駅から徒歩5分で中野ブロードウェイです。1階は普通の商店街ですが、2階からは違います。廊下が迷路のように折れ曲がり、3坪の個人店がびっしり並んでいます。有名なまんだらけ本店もここにありますが、私が注目するのはその隣の名もない店々です。

2階奥へと深く入っていくと、「ここは何を売る店なのか」と思うような店が現れます。ショーケースに80年代ロボットアニメのフィギュアと2020年の新作ねんどろいどが並んで刺さっています。店主はたいてい60代以上。声をかけると30年前のワンフェスの話が始まります。ガレージキット全盛期にディーラーだった方が多いのです。

こういった店の利点は、値札のない商品です。ショーケース最上段、埃の積もった箱に入っている絶版スケール。「これはいくらですか」と聞くと、店主がしばらく考え込みます。「10年前に入荷したものだけど……」と当時の仕入れ値を基準に値をつけます。プレミア相場を知らないのです。2019年、私はマックスファクトリーの2009年作を当時の定価で買ったことがあります。中古市場では3倍で取引されていた品でした。

中野ブロードウェイのもう一つの魅力は特典です。初回限定特典パーツ、イベント限定台座、店舗特典ミニフィギュア――こういったものが本体と分離して売られています。元のフィギュアはなく、特典だけが単体で500〜2000円で出ているのです。特典なしで本体だけ買ったコレクターには宝物です。私はここでグッドスマイルの店舗特典アクリルスタンド3個を揃えました。

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フロア別攻略法:なぜ3階から上がってはいけないのか

中野ブロードウェイは全4階建てです。まんだらけが2階から4階まで分散しており、各階で取扱品目が異なります。初心者は「とりあえず最上階から」という発想で4階から始めるのですが、これは非効率です。4階は同人誌とコスプレ衣装が中心。フィギュアは多くありません。

2階から始めて3階へ上がるのが正解です。2階は新作と人気タイトル中心。箱未開封A級の割合が高く、価格も相対的に高めです。ここで相場を把握します。3階は旧作とマイナータイトルが混在しています。2階で見つからなかったものを、ここで拾えるケースが多い。同じフィギュアが2階では2万円、3階では1万5千円で出ていることもあります。等級は両方ともA級です。

階段の位置も重要です。ブロードウェイは階段が複数箇所にあるのですが、中央エスカレーターだけ使うと半分の店を見逃します。北端の階段で上がり、南端の階段で降りる「コの字動線」が基本です。1フロア30分ずつなら、2〜3階完走で1時間半です。昼食時間(12〜1時)は避けたほうがよいでしょう。廊下が狭いため、人が集中するとショーケースの前に立つことすらできません。

まんだらけ以外の個人店も必ず回るべきです。「フィギュア」と手書きした看板が出ている店。3〜4坪の空間に天井までガラスケースが積み上がっています。店主が直接買い取った品なので、日本の大型ホビーショップにないレアアイテムが出ます。2017年、ある個人店でコトブキヤ限定版台座セットを発見しました。本体は売れて台座だけ残り、3千円で出ていたのです。私は同じフィギュアを通常版で持っていたので、台座だけ買って交換しました。

Photo: tomer.gabel / CC BY-SA

でんでんタウンはいつ行くべきですか?

大阪・でんでんタウンは秋葉原の縮小版のように見えますが、雰囲気が違います。日本橋5丁目一帯に中古店と新作ショップが混在しているのですが、東京より閑散としています。観光客が少ないためショーケース前を独占できます。その代わり、物量は秋葉原の半分程度です。

でんでんタウンの強みは価格です。同じA級中古が秋葉原より10〜15%安い。競争が少ないので、急いで売る必要がないのです。発売1年経過したスケール中古を探すなら、ここが有利です。ただし新作予約は東京と同価格。メーカー希望小売価格が決まっていますから。

日本橋5丁目の路地奥に入ると、2階建ての中古ショップがあります。1階はプライズとねんどろいど、2階はスケールフィギュア。階段が急で狭く、大きな荷物を背負って上がるのは困難です。店に入る前に1階カウンターに荷物を預けるとよいでしょう。2階のショーケースはメーカー別に区画が分かれています。アルター・グッドスマイル・マックスファクトリーといったメジャーメーカーのコーナーが別にあり、それ以外は「その他」でまとめられます。

でんでんタウンへ行くなら平日を推奨します。週末は大阪の地元コレクターが集まります。金曜日の午前がベストです。水曜夜に入荷した商品が陳列されるタイミングです。私は2020年3月の金曜午前11時に訪れ、コトブキヤ2018年作の箱未開封を半額で手に入れました。店員から「昨日入りました」と言われました。

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転送サービスと税関、そして荷造りの技術

日本現地で買っても、韓国へ持ち帰るのが問題です。機内持ち込み手荷物にするなら、箱のサイズが鍵です。1/7スケールは箱が横30cm、縦40cm程度。キャリーケースに2個が限界です。3個以上買ったなら、転送サービスを使うべきです。

東京の上野や新宿に転送サービス提携の物流センターがあります。ホテルから宅配便で送れば、梱包して韓国へ発送してくれます。送料は重量計算で、1kgあたり3千円程度。1/7スケール1体が箱込みで1.5kg程度なので、3体なら送料だけで1万5千円です。ここに関税がかかります。免税枠は800ドル。超過すると超過分の8%を払います。

箱を捨てて本体だけ持ち帰る方法もあります。フィギュア本体はエアキャップで2〜3重に包めば衝撃に耐えます。箱の体積が半分になり、キャリーケースに4〜5個入ります。ただし、後々転売を考えるなら箱は必須です。箱の有無で中古相場が30%違います。私は推しキャラだけ箱ごと持ち帰り、それ以外は捨てて転送サービスで別送します。

税関申告は正直にするのが楽です。800ドル超えて買ったなら、申告書にそのまま書きます。ランダム検査に引っかかって鞄を開けたとき未申告品が出ると、過料が関税の2倍になります。1、2回は運で通っても、頻繁に通うといつか引っかかります。2019年、仁川空港で私の前の人が未申告で引っかかり、30分間税関ブースに拘束されているのを見ました。

Photo: c.strange / CC BY-SA

聖地巡礼失敗談:初心者が見落とすもの

初めての秋葉原訪問で最も多い失敗は「有名店だけ回る」ことです。ラジオ会館・コトブキヤ本店といったランドマークだけ押さえて満足するパターン。本当の掘り出し物は、名もない裏路地の店から出ます。看板もない2階の中古ショップ、階段の突き当たりにある3坪の個人店――ここがプレミアのつかない旧作の宝庫なのです。

2つ目の失敗は時間配分です。午前11時に到着してラジオ会館で3時間使うと、午後には疲れて中野まで行けません。ラジオ会館は1時間半に制限し、昼食後に中野へ移動するのが正解です。中野ブロードウェイは午後3時頃到着で問題ありません。夜7時まで営業しているので時間に余裕があります。

3つ目は現金不足です。中古ショップのかなりの数がカード不可。特に個人店は現金オンリーです。私は2016年、中野で狙っていたフィギュアを見つけたのに現金が足りず買えなかったことがあります。近くのコンビニATMで引き出そうとしましたが、海外カードが使えませんでした。そのフィギュアは翌日にはすでに売れていました。今は最低10万円は現金で持っていきます。

4つ目は梱包材の軽視です。フィギュアを買ったら、エアキャップとガムテープを別途購入すべきです。中古ショップは簡易包装しかしてくれません。新聞紙1枚巻くのが関の山。ホテルでキャリーケースに入れる際、きちんと梱包しないとパーツが折れます。私は初回訪問時にねんどろいどの交換用手首パーツを折って以来、100円ショップでエアキャップを3ロール買います。

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時間帯別戦略:朝・昼・夕は別々に動く

午前(10〜12時)は新作チェックと入荷確認です。ラジオ会館4階コトブキヤでデコマスを見て、予約判断をし、裏路地中古ショップ2〜3軒を回って金曜入荷分を確認します。この時間帯は観光客が少なく、ショーケース撮影に適しています。店員も手すきで質問しやすい。

昼(12〜1時)は移動時間です。秋葉原から中野までJRで20分。この時間に中古ショップへ入ると廊下が詰まって満足に見られません。むしろ中野駅近くで昼食を取り、ブロードウェイへ入るほうがよい。中野ブロードウェイ1階にも食堂はありますが、席がありません。

午後(2〜5時)は中野集中探索です。2階の個人店から始め、3階のまんだらけ、4階まで「コの字動線」で完走します。この時間帯は人が多いですが、それでも秋葉原よりは閑散としています。ショーケース前で10分立っていても気になりません。店主が陳列作業をしているケースが多く、新品がリアルタイムで並びます。

夕方(5〜7時)は仕上げと交渉です。一日見たものを整理し、買うか様子見するか決定します。この時間帯は店員が退勤準備で忙しい。価格交渉は無理です。代わりに「今日買わねば明日はない」という覚悟で決済します。日本の中古ショップは回転が速い。今日見たA級フィギュアが明朝には売れています。

なぜ同じフィギュアが店によって価格が違うのか

中古市場は需要と供給で動きます。秋葉原は観光客が多いので価格が高い。中野は地元コレクター比率が高く相場に近い。でんでんタウンは物量が少ないためレアものは高く、ありふれたものは安い。同じ都市内でも店ごとに買取方針が違います。

大手チェーン店はデータベースで相場を管理しています。バーコードを読めば全国平均中古価格が出ます。そこから±10%の範囲で価格を決めます。個人店は店主の勘で値をつけます。10年前にいくらで買ったか、今いくらで売れるか知らないケースが多い。だから個人店で高額品を安く拾えたり、逆にありふれたものを高く買ったりします。

箱の状態も変数です。A級は箱の角1箇所の凹みもあってはなりません。B級は目立つダメージ1〜2箇所。C級は箱なし。同じフィギュアがA級2万円、B級1万5千円、C級1万円で同時に出ます。本体状態は3つとも完璧でも、箱一つで値が分かれます。転売しないならC級でも構いません。私は推しはA級、それ以外はB級で買います。

シーズンも影響します。12月年末と3月決算期には中古品が増えます。コレクターがガラスケース整理をするからです。供給が増えれば価格は下がります。逆に7〜8月の夏繁忙期には観光客が押し寄せ値が上がります。同じフィギュアが3月は1万2千円、8月は1万5千円です。

よくある質問

秋葉原と中野、どちらか一方だけ行くならどこへ行くべきですか?

新作中心なら秋葉原、旧作とレアアイテム狙いなら中野です。秋葉原はデコマス展示と予約受付が強みで、ラジオ会館4階で発売前の原型を実物で見られます。中野ブロードウェイは2階の個人店に絶版10年選手のスケールが定価レベルで出ることがあり、特定作品の旧ラインナップを揃えるコレクターに有利です。初訪問なら秋葉原を推奨します。

中古ショップで値切るのは本当に可能ですか?

B級以下、発売2年以上経過した不人気作に限り可能です。日本語で「ちょっと高いですね」と言うか、電卓に希望価格を見せれば、10%線で調整してくれるケースがあります。ただしA級人気作や箱未開封の新作は定価厳守です。大手チェーン店より3坪の個人店で成功率が高く、午後2時以降の客足が途絶える時間が有利です。

現地で買ったフィギュア、箱ごと持ち帰るべきですか、本体だけにすべきですか?

転売予定があれば箱必須、生涯所蔵するつもりなら本体だけでも構いません。箱の有無で中古相場が30%違い、A級等級を得るには箱の角のダメージもあってはなりません。本体だけエアキャップ3重包装すればキャリーケースに4〜5個入りますが、箱まで持つと2個が限界です。私は推しだけ箱ごと、それ以外は捨てて転送サービスで別送します。

聖地巡礼初日のスケジュールはどう組むべきですか?

午前10時ラジオ会館4階コトブキヤで新作チェック → 11時裏路地中古ショップ2〜3軒 → 12時移動兼昼食 → 午後2時中野ブロードウェイ2階から3階まで探索 → 5時購入判断最終決定、の順を推奨します。ラジオ会館で3時間以上使うと午後の体力が底を尽くので、1時間半に制限して中野に時間を多く配分するのが効率的です。金曜午前訪問時は入荷分を狙えます。

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今日も皆様のガラスケースに良縁が訪れますように。

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