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スマートフォン一台でガラスケース内のフィギュアを撮る方法:フィギュア撮影が語らない光の文法

フィギュア撮影の核心はカメラではなく光です。ガラスケース内のスケールフィギュアをスマートフォンで撮る際、反射・影・色温度を制御する方法、そしてSNSに投稿する前の補正の最小原則を、15年目のコレクターの試行錯誤でまとめました。

スマートフォン一台でガラスケース内のフィギュアを撮る方法:フィギュア撮影が語らない光の文法
Photo: othree / CC BY

ガラスケースの扉を開けてシャッターを切るまで

ガラスケース内のフィギュアを取り出し、撮影台の上に置きます。背景紙を広げます。照明をつけます。この過程を一度でも経験した方ならご存知でしょう——フィギュア撮影は撮る時間より準備する時間の方が長いのです。2019年夏、初めて購入したアルターの1/7スケールをSNSに投稿しようとして、ガラスの反射と二時間格闘した末に悟りました。写真映えしないフィギュアは存在しません。光を知らない撮影者がいるだけです。

結論から申し上げます。フィギュア撮影に必要なのは高価なカメラではなく、光の方向と強さを読む目です。スマートフォンのカメラで十分です。問題は光源です。蛍光灯の下で撮ったフィギュアは白く死に、白熱灯の下では黄色く浮きます。窓際で撮れば影が濃くなり、フラッシュを焚けば表面がテカります。同じフィギュアが光によって別の人形になるのです。

本稿は機材レビューではありません。ガラスケースの扉を開けてスマートフォンを取り出しシャッターを切るまで、光と角度を制御する実戦経験談です。撮影台と背景紙を使う正攻法から、ガラスケース内でそのまま撮る裏技まで。15年間数百枚の写真を撮りながら学んだことを整理します。

光の方向がフィギュアの表情を変える

フィギュア撮影の第一原則は光源の位置です。正面から入る光は影を殺し、立体感を消します。サイド光は輪郭を活かします。逆光は髪の毛先のクリアパーツを輝かせますが、顔を暗くします。同じフィギュアを三方向から撮れば三つの印象を得ます。

2021年冬、マックスファクトリーのさくらみこ1/7スケールを撮影しながらこの原則を体感しました。正面からLED照明を当てるとスカートのしわが平面のように見えました。照明を45度サイドに移すとしわの谷が生きてきました。後ろから補助光を追加するとツインテールの透明グラデーションパーツが光を食んで発光しました。同じフィギュアでした。光だけが変わったのです。

初心者がよくする失敗は光源を一つしか使わないことです。主光一つでは反対側が暗くなります。補助光が必要です。LEDスタンド二台で十分です。主光はフィギュアの45度サイド上方から、補助光は反対側の低い位置から弱く。この基本配置さえ守れば影が自然になります。プロスタジオの3点照明理論をフィギュア撮影にそのまま持ち込む必要はありません。二つから始めてください。

Photo: othree / CC BY

色温度を合わせなければフィギュアが黄ばむ

第二の原則は色温度です。白熱灯は2700K前後のオレンジ色、昼光色LEDは6500K前後の青みを帯びます。蛍光灯はその中間です。この色がフィギュアの塗装に被さります。白い衣装がクリーム色に見え、肌のトーンが黄色く浮きます。写真で撮ると肉眼より更にひどくなります。

スマートフォンカメラのオートホワイトバランス(AWB)は万能ではありません。複雑な照明環境では誤作動します。2020年春、グッドスマイルカンパニーの初音ミク マジカルミライ ver.を撮影する際、部屋の蛍光灯をつけたまま撮ったところ、ミントグリーンの髪が濁った青緑色に写りました。蛍光灯を消して昼光色LEDだけつけて撮り直すと、本来の鮮やかなミントが蘇りました。光源を統一するだけでも色再現が変わります。

実戦の助言を一つ。撮影前に白い紙をフィギュアの横に置き、スマートフォンのマニュアルホワイトバランスを合わせてください。ほとんどのカメラアプリに「プロモード」や「WB手動設定」があります。白い紙が本当の白色に見えるよう調整すれば、フィギュアの色も正確になります。オートに任せないでください。機械はあなたのフィギュアの色を知りません。

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ガラス反射を消す三つの方法

ガラスケース内でフィギュアを撮る際、最大の敵は反射です。ガラスに部屋の照明が映り込み、撮影者のシルエットが写ります。ガラス扉を開ければ解決しますが、展示状態のまま撮りたい時があります。あるいはガラスケース自体がディスプレイの一部である時。こういう時に使う方法が三つあります。

第一に、偏光フィルターです。スマートフォン用クリップ偏光フィルターをレンズに取り付けて回転させると、ガラス反射が減ります。完全には消えませんが70~80%は抑制されます。第二に、黒い布です。カメラとガラスの間に黒い布を張り、レンズだけ出せば反射が遮断されます。撮影ブースのように作るわけです。第三に、部屋の照明を消してガラスケース内のLEDだけつけます。反射する光源自体をなくす方法です。

2018年夏、IKEAのDETOLFガラスケース内にねんどろいど10体を展示して撮る際、三番目の方法を使いました。部屋の天井の蛍光灯を消し、ガラスケース上部に取り付けたLEDバーだけつけました。スマートフォンをガラスにできるだけ近づけて撮影しました。反射はほぼ消えました。ただし光が上からだけ入るため、下の方のねんどろは暗くなりました。完璧な方法はありません。状況に合った妥協点を見つけてください。

Photo: PattayaPatrol / CC BY-SA

背景が雑然としていればフィギュアが埋もれる

フィギュア撮影において背景は空気ではありません。被写体を活かす舞台です。雑然とした背景は視線を分散させます。本棚の前で撮ったフィギュア写真を見ると、後ろの背表紙の文字が目に入ります。フィギュアより背景が先に読まれます。これは撮影の失敗です。

最も簡単な解決策は無地の背景紙です。白、黒、グレー。A3用紙ならねんどろいどやfigmaに十分で、1/7スケールにはA2以上が必要です。紙を曲線に立てて壁と床の境界を消す「インフィニティ背景」技法を使えば、フィギュアが宙に浮いているような綺麗な写真が得られます。2022年春、コトブキヤの青葉すずかぜ1/7を撮影する際、白のケント紙A2を曲げて立てて撮ったところ、SNSの反応が普段の三倍でした。背景が綺麗だと衣装のディテールが生きました。

背景を作品世界観に合わせる方法もあります。学園モノのキャラクターなら机の上、ファンタジーキャラクターなら造花や石の小物を敷いて。ただしやりすぎると散漫になります。背景は脇役です。主人公を食わない程度で止めてください。

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フィギュア撮影でスマートフォン設定はどうすればよいですか?

スマートフォンでフィギュアを撮る際は、基本カメラアプリのオートモードより手動設定を推奨します。ISOは100~200に低く、シャッタースピードは三脚を使うなら1/15以下に下げても構いません。手ブレが心配ならセルフタイマー2秒をオンにしてください。絞りは固定なので気にする必要はありません。

HDR機能はオフにする方がよいでしょう。HDRは明暗差を減らすため複数枚を合成しますが、フィギュアのハイライトとシャドウを自然に活かそうとする意図と衝突します。特に光沢塗装やメタリックパーツはHDRをオンにすると人工的に潰れます。2019年秋、アルターのイシュタル1/7を撮る際、HDRをオンにした写真とオフにした写真を比較したところ、金属装飾品の反射光が歴然と違いました。オフの方が造形の意図をより捉えていました。

ポートレートモードやAI自動補正もフィギュアには合いません。スマートフォンはフィギュアを人の顔と勘違いして肌補正をかけてしまいます。塗装の質感が消えます。マニュアルモードに行ってください。面倒ですが結果が違います。

Photo: animaster / CC BY

補正は最小限に、原本の色を守る

撮影後の補正は必要です。ただしやりすぎればフィギュアではなくCGになります。補正の原則は「撮影ミスを正すこと」であって「ないものを作ること」ではありません。露出調整、ホワイトバランス微調整、トリミングと回転程度。彩度を極端に上げたりフィルターを被せれば、原本の塗装の色合いが歪みます。

スマートフォン標準ギャラリーアプリの編集機能で十分です。露出+0.3~+0.5程度明るく、コントラストは+10以内、彩度は触らないか-5程度のみ。過度なシャープネス調整はフィギュア表面にハロー(縁の光滲み)を作ります。2020年冬、グッドスマイルカンパニーのレーシングミク2020 ver.を撮影後、シャープネスを+30まで上げたところ、髪の境界に白い縁取りができました。過剰な補正の痕跡です。

カラーグレーディングはしません。映画のような色合いを作りたい欲求は理解します。しかしフィギュアは既に原型師と彩色見本段階で完成された色を持っています。撮影者の恣意的な色合いを被せるのは原作への礼儀ではありません。実物をありのまま伝えてください。それがフィギュア写真の本分です。

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SNSに投稿する前に圧縮と解像度を確認する

撮影した写真をSNSに直接投稿すると、プラットフォームの自動圧縮を経ます。Instagramは1080px以上を強制リサイズし、Twitterは JPEG品質を落とします。ディテールが潰れます。特にねんどろいどの小さなデカールやスケールフィギュアの細密な文様は、圧縮過程で見えにくくなります。

実戦の助言。アップロード前に画像編集アプリで解像度をプラットフォーム推奨サイズに予め合わせ、JPEG品質を90%以上に設定して保存してください。Instagramなら1080×1080px、Twitterなら1200px長辺基準。プラットフォームがもう一度圧縮しても、原本が高品質なら結果がマシです。2021年春、マックスファクトリーのアクア1/7を投稿する際、この方式を使うとドレスのレース質感が生きていました。

ハッシュタグも戦略です。メーカー名、キャラクター名、作品名を英文と日本語を混用してつければ海外のコレクターにも露出されます。#GoodSmileCompany #ねんどろいど #初音ミクのように。国内ファンダムだけ狙うなら日本語タグだけで十分ですが、フィギュアはグローバルな趣味です。言語障壁を下げてください。

ガラスケース内でそのまま撮る裏技の限界

すべての撮影でフィギュアを取り出すわけにはいきません。ガラスケース内に展示された状態のまま記録したい時があります。特に複数を一緒に撮る時。こういう時はガラスケース照明だけで撮影します。ただし限界は明確です。光が上からだけ入るため影が長く、ガラス反射を完全に避けられません。

この限界を減らす方法があります。第一に、ガラスケース内側に白い紙やフォームボードを立てて光を反射させます。簡易レフ板です。第二に、ガラスケース側面に補助LEDを追加で取り付けます。上下両方向照明になれば影が減ります。第三に、撮影時間帯を調整します。昼なら窓から入る間接光を活用し、夜なら部屋の照明をすべて消してガラスケースのLEDだけつけます。

2023年夏、DETOLF4段にスケールフィギュア12体を展示して全体コレクション写真を撮る際、上記三つすべてを動員しました。各層ごとに白い厚紙を後ろに立て、側面にUSB LEDテープを追加しました。夜11時、部屋の灯りを消してガラスケース照明だけつけて撮影しました。完璧ではありませんでしたが、SNSフィード用には十分でした。裏技は裏技です。期待値を下げてください。

よくある質問

ねんどろいど撮影はスケールフィギュアと違うべきですか?

ねんどろいどはサイズが小さいため背景がより重要です。A4用紙一枚で背景として十分で、小物を一緒に配置すれば物語が生まれます。照明は柔らかく——LEDスタンドにトレーシングペーパーを一枚被せれば影が柔らかくなり、顔の表情が生きます。スケールフィギュアのような強いサイド光より、正面からやや上方の照明がよいでしょう。

撮影用機材を追加で買うべきですか?

スマートフォン三脚とLEDスタンド二台あれば始められます。三脚は1万円台の製品で十分で、LEDスタンドは色温度調整可能な製品を推奨します。高価なカメラや照明キットは趣味が大きくなってから悩んでも遅くありません。フィギュア撮影は機材より光を読む目が先です。

ガラスケース内LED照明はどれを使うべきですか?

昼光色(6000~6500K)LEDを推奨します。白熱灯色はフィギュアを黄色くし、蛍光灯は演出が難しいです。USB電源LEDテープやセンサーライトをガラスケース天井に取り付ければ簡便です。明るさ調整ができる製品ならなおよいでしょう。撮影時は最大輝度で、普段のディスプレイ用には中間輝度に調整してください。

写真がぼやけて写る理由は何ですか?

レンズに埃や指紋がついているか、ガラスケース反射がひどいか、ピントが合っていないためです。スマートフォンレンズを布で拭き、フィギュアの顔をタッチして手動ピントを合わせてください。ガラス反射は部屋の照明を消すか黒い布で遮断します。ピントが合ってもぼやけるなら、ISOが高すぎるか過度な補正のせいかもしれません。

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フィギュア写真は所有の証明ではありません。造形と塗装を記録する行為です。原型師が削った曲線、彩色師が載せたグラデーション、メーカーが選んだパーツ分割——これらすべての決定を一枚の写真に収められるなら、それは撮影ではなく鑑賞の延長です。シャッターを切る前に光の方向を調整するその10秒が、ガラスケースの扉を開けてフィギュアを取り出すその瞬間が、あなたのコレクションにもう一つの意味を加えます。今日も皆さまのガラスケースに良き縁が結ばれますように。

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