ワンダーフェスティバル、なぜフィギュアファンなら一度は行くべきなのか?
結論から申し上げますと、ワンダーフェスティバル(以下ワンフェス)は、完成品フィギュア市場では絶対に流通しないガレージキットを合法的に入手できる、ほぼ唯一の窓口だからです。毎年夏と冬、幕張メッセで開催されるこのイベントは、1984年から続く世界最大規模の個人創作フィギュア展示即売会です。当日版権制度のおかげで、アマチュア原型師も一日だけは著作権の心配なく自分のレジンキットを販売できます。
午前10時開場30分前、すでに数千人がホール入口に列をなしています。手には印刷されたブース配置図と目標サークルリスト。開場の合図とともに走行禁止のアナウンスが流れても、早足で目当てのブースへ向かう光景は、コミックマーケットとはまた違う緊張感を帯びています。人気原型師の新作は開場1時間以内に完売することが常です。
ガレージキットと完成品フィギュア、何が違うのか?
ガレージキット(GK)は、レジン樹脂で成形された組立・塗装前のパーツセットです。グッドスマイルカンパニーやアルターのようなメーカーが工場でPVC・ABSで成型し彩色まで済ませた完成品とは異なり、購入者が自らヤスリがけ・瞬間接着剤・エアブラシ作業を経て、ようやくフィギュアになります。生産数量は通常10〜50個前後。金型費用がかからないため少量生産が可能ですが、それだけに同じものに二度と出会えない希少性があります。
ワンフェスのディーラーブーステーブルの上には、たいてい完成見本一点と透明ジッパー袋に入ったパーツセットが置かれています。価格表は手書きのメモ紙。決済は現金のみという所が大半です。「これ最後の一つです」と言われて2万円のレジンの塊を手に取った瞬間、完成品フィギュアの予約画面でクリック一つで済んでいた決断とは全く異なる重みが手に伝わってきます。
完成品スケールは量産工程でディテールが潰れたり、彩色が単調になったりすることが多いものです。一方ガレージキットは、原型師が手で削り出したシャープな造形、アンダーカットが生きたパーツ分割、レジン特有のずっしりとした質感がそのまま残ります。ただし組立難易度は初心者には決して甘くありません。気泡埋め、パーティングライン処理、ピン穴開けだけで半日かかります。
[AmiAmi Limited Edition] Gushing over Magical Girls, Magia Magenta, 1/7 Scale Plastic Pre-painted Complete Figure →イベント会場でだけ通用する「当日版権」とは何か?
当日版権とは、著作権者が非営利イベントの一日限りで二次創作物の販売を黙認する、日本特有の慣行です。ワンフェス主催者である海洋堂が各著作権社と事前協議を済ませており、参加者は当日朝に窓口で申請書と見本を提出し承認シールを受け取れば、その日一日限定で販売できます。会場外に出れば無版権複製品となります。
そのためワンフェスで買ったガレキをオンライン中古サイトで転売する際は注意が必要です。当日版権シールが貼られたジッパー袋の写真を証明として上げるのが暗黙のルールですが、法的には依然グレーゾーンです。私が2013年夏のワンフェスで購入したあるマイナーソーシャルゲームのキャラクターキットは、そのゲームがサービス終了した今も作業台の片隅に未組立のまま残っています。当日版権の有効期限は一日ですが、その希少性は永遠です。
[AmiAmi Limited Edition] Azur Lane "Kersaint: Reverent Runner" 1/7 Complete Figure →国内イベント文化:ワンホビから個人展示まで
韓国でも2010年代半ばまでCOEXや三成洞一帯でワンホビギャラリー、ソウルキャラクターフェアといったフィギュア中心の催しが開かれていました。ワンホビは日本のワンフェスの影響を受け、国内の個人原型師がレジンキットを展示販売する小規模イベントでしたが、参加者減少と会場問題で2017年以降事実上中止となりました。
現在は弘大・江南一帯のギャラリーカフェで開かれる個人展示や、Twitter・Instagram基盤のオンライン販売が主流です。国内原型師のA氏は自身のレジンキットをGoogleフォームで先着順受付し、宅配便で発送する方式を取っています。当日版権の概念がない韓国では、オリジナルキャラクターか著作権協議を済ませた少数のIPのみ制作可能です。無版権複製レジンがSNSのDMで闇取引される事例も依然として目にします。私は断固反対します。
日本以外の地域では、香港のC3 AFA、台湾のFancy Frontierといったイベントがワンフェスと類似した構造を持っています。東南アジアのファンはこれらのイベントを通じて日本の原型師の委託キットに出会ったり、現地作家の新作に触れたりします。グローバルフィギュア市場が拡大するにつれ、イベント文化も徐々に国境を越えつつあります。
イベント限定特典と先行販売の誘惑
ワンフェスやワンホビでは、完成品フィギュアメーカーもブースを出します。グッドスマイルカンパニーのブース前の列は開場前から数百メートル。理由は「イベント限定先行販売」と「特典」です。正式発売の2〜3ヶ月前にワンフェスで先に購入でき、専用特典フェイスパーツや台座が付属します。
2019年冬のワンフェスで、私はアルターのブース前で2時間立ちました。目標は限定クリアバージョン台座付きの先行販売品。結局手に入れましたが、2ヶ月後に一般予約開始を見て「私の2時間は台座一つ分の価値だったのか」と自問しました。イベント特典は収集欲を刺激しますが、冷静に考えれば本体造形とは無関係な場合が多いのです。
先行販売品はたいていデコマスではなく量産1次サンプルレベルです。彩色品質はすでに確定した状態。オンライン予約で「デコマス写真だけを信じて買ったら量産品とのギャップに泣いた」経験があるなら、イベント先行購入はむしろ安全な選択肢となり得ます。ただし、それだけの時間と交通費を負担する覚悟が前提です。
よくある質問
ワンダーフェスティバルの入場券はどうやって手に入れるのか?
ワンフェス公式サイトで事前登録後、コンビニ発券または当日現地購入が可能です。事前登録は開催1ヶ月前から始まり、カタログ購入の有無を選択できます。当日現地入場も可能ですが、午前早くに売り切れる人気キットを狙うなら事前登録と早めの到着が必須です。入場料は2500円前後です。
ガレージキットを組立・塗装できない場合はどうすればいいのか?
完成代行サービスを利用するか、未組立状態で保管する選択肢があります。日本と韓国いずれもSNSやコミュニティで「組立代行」「塗装コミッション」を検索すれば作家を見つけられます。費用はキット価格の2〜5倍。私は何年もの間、作業台の引き出しに積まれた未組立キットを見ながら「いつかは」と呟いていますが、正直そのいつかは来ない可能性が高いです。
イベント限定フィギュアは後で再版されるのか?
イベント限定特典(フェイスパーツ、台座など)は再版時に含まれないのが原則です。本体フィギュア自体は数ヶ月後に一般流通しますが、限定構成品はそのままイベント参加者だけのものとして残ります。中古市場で「ワンフェス限定特典付き」表記が付くとプレミアムが付く理由です。特典のために列に並ぶか、本体だけで満足するかは、各自の収集哲学次第です。
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イベント会場のテーブルに置かれたレジンキット一セットは、オンラインショップの予約画面にある「カートに入れる」ボタンとは全く異なる重みであなたを試します。その重みに耐える自信があるなら、次回のワンフェス開催情報にカレンダーへ印を付けておくことをお勧めします。今日も皆様のガラスケースに良いご縁が訪れますように。
